2025年2月27日(木)、今市高校の「課題研究発表会」で、工学部建築土木分野の大野隆司准教授が講評を行いました。

当日は、2年生の学年代表となった5組の発表がありました。地域の人口減少問題や活性化等をテーマにした熱のこもった発表がありました。

それを受けて、大野准教授の約30分間の講評がありました。

大野准教授は学生時代から世界各地の建築物を求めて旅をしてきました。大学卒業後も、地域のまちづくりなど、探究的な活動に積極的に関わってきました。

講評に先立ち、「私たちは、なぜ探究をするのか? それは、人生は探究そのものであり、それが全てであるから。」と、生徒たちにはっきりと伝えました。

続いて、生徒の発表一つ一つについて、具体的なアドバイスを行いました。
「なぜ若者が足尾から出て行ってしまうのか」というテーマでは、いつの間にか、人口を増やすことにすり替わっているため、何をテーマにしているのかが曖昧になっていることをわかりやすく説明しました。

また、先行事例の研究では、はたして足尾と比較することで参考になる事例なのか、ということも指摘していました。高校生だから、これくらいでいいか、という発想はなく、本当にそれでいいの、という本気度が生徒にも伝わっていました。

「NIKKO 食べ歩き」の研究については、身近なところにテーマを設定していることや道路沿いにベンチが足りないのではないか、という発想の素晴らしさを評価したうえで、「なぜ、ベンチが5個しかないのか、まず、その理由を調査しよう」というアドバイスや、「実際に自分たちでベンチを作り、それを置いてもらうことで何が変わるのかを調べてみたら」というアイディアも示してくれました。おそらく、自分だったらこうしたい、という本音をぶつけていました。

また、ジビエ料理が日光に人を呼び込む起爆剤になるのではないか、という提言についても具体的なアドバイスがありました。
例えば、ジビエ料理の材料を提供する猟師さんはどんな人たちで、どれくらいの量を提供できるのか、実際に猟師さんに会って話を聞いたり、猟の様子を見せてもらったりすることもできるのでは、また、どんな調理をすれば、人気のあるメニューになるのか、実際に料理を作ってみるのも、高校生ならではの研究になるのではないか、という話は、探究って、なんだか楽しそう、と思わせるものでした。

こんなこともできるんだ、やっていいんだ、と既成概念を超えることが探究の醍醐味であることを感じ取ってくれたと思います。

最後に、生徒の課題研究の良かった点を改めて示すとともに、「突拍子もないアイディアも必要。」と、高校生へのエールを送りました。

発表会終了後、生徒に今日の大野先生の話どうだった?と聞いたところ、「発表に対して批評してくれたことが嬉しかった」と答えてくれました。やはり、本気で関わろうとする大人の本音は伝わっているんだなと思いました。

今後も連携しながら、生徒の探究活動の充実に向けて貢献させていただきたいと考えています。お互いにWinWinの関係になれることを目指しています。

本学に興味を持たれた方は、3月中にオープンキャンパス(工学部、看護学部)がありますので、是非、お越しください。お待ちしています。